【被写体別】魅力を120%発揮させるためのライティングと会場セッティング

2018年 11月 02日

撮影時の様子

いまや、誌面のみならず、Webでも写真1枚のもつ影響力は大きいですよね。写真をきれいに撮って、被写体の魅力をより発揮させたいと思う方も多いのではないでしょうか。

 

被写体の魅力を収めるには、撮影時のライティングや会場セッティングが大きくかかわっています。そこで本記事では、そもそもライティングとは何か、被写体にあわせた会場セッティングのポイントや撮影のコツについてご紹介いたします。

 

 

■カメラ用語でいうライティングとは?


ライティング

カメラ用語でライティングとは、写真が思い通りに仕上がるように照明をコントロールする技法について言います。

 

ライティングで一番大切なのが、メインライトです。
屋外に出ると太陽の光が自然にあたるように、メインライトは被写体よりも高い位置にセットします。

 

メインライトの次に重要なのはフォロー用の照明である、フィルンライトです。フィルンライトにはフロントライトとスカイライトがあります。メインライトだけでは、明るく照らされる部分が強調され過ぎてシャドー部が目立つこともあるでしょう。

 

そこで、レンズ側からフロントライトを照らすことで、明るさのコントラストを調整します。スカイライトは、被写体の上側にセットします。上から下へ向かって被写体を照らすため、写真を立体的にし、グラデーションが出せる照明です。

 

さらに付け足すのであれば、アクセントライトを取り入れましょう。アクセントライトとは、その名の通り、被写体にハイライトを追加します。アクセントライトを設置するポイントは、メインライトとの方向性を合わせることです。メインライトだけでは、明かりが弱すぎる場合や、被写体をハッキリと目立たせたいときに用います。

 

■被写体別のライティングと会場セッティング


ここからは、被写体別にライティングと会場セッティングのポイントをご紹介しましょう。

 

1.食品編


アンパン

食品の撮影時のポイントは、ライティングを逆光気味にすることと写真を見た人がイメージしやすくするセッティングです。今にも食べ始めるように臨場感を出して、被写体の食感や質感が写真で伝わるようにします。

 

特に、被写体のセッティングは大切です。購入時のパッケージに入ってきた状態ではなく、これから食べ始める実際の食事シーンを想定してセッティングしましょう。

 

撮影時のライティングは、メインライトやアクセントライトを被写体の後ろ側に置くことです。やや逆光気味にすると食品に立体感を持たせられるので、食品の質感が伝わりやすくなります。ドリンクの撮影についても、同じく逆光気味に撮ることで透け感が出て美しく仕上がりますよ。

 

ただし、メインライトをあまりに強くし過ぎると、前方に影が出てしまって食品の新鮮さが失われてしまいます。逆光を意識しつつも、暗すぎず、程よい加減に調整しましょう。また、特にアピールしたい部位は、ピントを合わせて被写体を強調させるといいでしょう。

 

2.商品編


マネキン

洋服やアクセサリーなど商品を撮影する場合、商品の特徴を捉えることがポイントとなります。上質感を演出し、実際に使用する際のイメージを沸かせられるように被写体を引き立てましょう。

 

商品の特徴を捉えるには、デザイン性や使用例を示すことがカギとなります。人物モデルを使うとデザイン性やサイズ感、使用例が伝わりやすく、見る人にとってもイメージしやすくなります。人物モデルの使用が難しい場合には、マネキンやコーディネート用のアイテムを組み合わせて撮影すると良いでしょう。

 

撮影時のライティングは、照明の高さを商品と同じくらいにそろえることがポイントです。アクセントをつけたい部位が目立つように、斜め前側に置きましょう。

 

ただし、ライトが一方通行となると、影が出過ぎてしまい硬質なイメージが出てしまいます。レフ版やディフューザーを使って光源を反射させ、布や革などの柔らかな素材感を出しましょう。

 

3.瓶などの透明な商品編


ガラス瓶

瓶などの透明感がある商品の撮影は、瓶自体の質感だけでなく、表面に貼られているラベルが光り過ぎないこと、文字が読めるかがポイントです。

 

セッティング時は、撮影台が写り込まないように台の上にアクリル板を用いて台から3~10センチほど高くします。また、被写体の形を正確に写すため、水準器を用いて被写体やカメラを水平に保ちましょう。

 

さらに、被写体の左右に、上部2.5mほどの高さから真っ白なトレーシングペーパーを垂らし、レフ版として用います。

 

ライティングのポイントは、メインライト以外にも前後左右にフィルンライトを設置することです。左右や上下に動かして瓶のハイライトの入り方を確認しましょう。ライティングを柔らかくしたい場合は、トレーシングペーパーとライトとの距離を開けるといいでしょう。

 

ガラス瓶の持つ独特な透明感や滑らかな質感を引き立てるには、光のグラデーションが出るようにセッティングします。瓶の後方にアルミ箔のつやがない方を表にしたパネルをセッティングしましょう。メインライトの光を抑える働きがあるので、瓶の質感がより伝わりやすくなります。

 

瓶のエッジをハッキリと出したい場合は、瓶の左右にハイライトカラーとなる真っ黒なケント紙の筒を作ります。筒の高さは瓶よりも高くして、瓶よりも少し後ろ側に立てましょう。瓶の輪郭が強調されてインパクトある写真に仕上がります。

 

4.人物編


モデル

人物の撮影時は食品や商品とは異なり、動きを出すことがポイントです。
躍動感が出るように、メイクの血色やファッションの色合いにも気を配ります。

 

詳しい撮影方法は、次の項目でご紹介していきましょう。

 

■人が被写体の撮影のコツ


人物撮影時の様子

人物が被写体の撮影のコツは、コンセプトやカラーバランス、ポージングなどから人物モデルの動きを引き出せるように配慮します。

 

1.テーマコンセプト


まずは、どのような写真が欲しいのか仕上がりを事前に確認しておきましょう。美しく上品に、おしゃれに、可愛く見せたいなどのテーマやコンセプトを決めます。その上で、テーマコンセプトに合ったメイクやファッションなどを考えます。

 

ファッションのポイントは、サイズがジャストフィットしている洋服を選ぶことです。肩のラインやシルエットが体に合ったものを選びましょう。全体的に見たときのバランスの良さを心がけます。

 

ヘアやメイクは、人物モデルの骨格に合わせて立体感を出すことがポイントです。ライティングを考慮してグラデーションの出るヘアメイクにします。

 

2.リラックス


撮影時には、つい緊張してしまって表情が硬くなりがちです。
ゆったりとした気持ちでリラックスしましょう。

 

リラックス方法としては、撮影前のストレッチや発声練習がオススメです。

座って行う場合は、椅子に座って上半身の力を抜き、深呼吸しながら肩を上げ下げします。肩甲骨や首を回すのもいいでしょう。

 

立って行う場合は、脚を揃えてまっすぐに立ち、両手を胸の前で合掌します。鼻から息を吸いながら両手を頭上にあげ、口から息を吐きながら体を右に傾け3回呼吸しましょう。

 

再び息を吸いながら体をまっすぐにし、息を吐きながら体を左に傾けます。これを2セット繰り返します。

体を動かすことで、力が抜けてリラックスできるでしょう。

 

また「あ、い、う、え、お」と発声練習をすることでもリラックス効果が得られます。体の力を抜いた状態で行いましょう。

 

3.ポージング


写真仕上がり時のポイントとなるのが、ポージングです。
撮影時にいざポージングと言われても、難しいことがほとんどです。

 

経験が少ない場合には、普段している動きから一部を抜き取るイメージで行います。歩いていることや何かを書いている様子など、普段行っていることを具体的に動作にしてみましょう。

 

4.顔の角度


顔の角度にも注意を払います。たとえ、顔の角度が同じだったとしても、目線の位置や口角の方向が少し違うだけで写真の印象は別物です。

 

目線の位置を定めるには、目標点に目印をつけると良いでしょう。マスキングテープを使えば、分かりやすくなります。また笑顔にしたいなら口角を上げる、真剣な表情であれば、口角を下げるというように、鏡を見ながら表情を確認しましょう。

 

5.表情


人物モデル最大のポイントともいえるのが表情です。できるだけ明るい写真にするために、にこやかな表情を作りましょう。楽しいシーンを想像すると、自然と笑顔になるでしょう。

 

ただし、カメラを意識しすぎると、表情が硬くなりがちです。レンズの向こう側に人がいると思って遠くを見ると、より自然で柔らかみのある表情が引き出せます。

 

■思いのままに演出できるスタジオが吉


スタジオのセッティング

被写体の魅力を引き立てるライティングと会場セッティングの方法をご紹介しましたが、いかがでしたか。

ライティング技術を活用すると、被写体の魅力を120%発揮させ、よりイメージが湧きやすくなります。
また、被写体ごとにベストな会場セッティングもポイントとなります。

 

身近に会場セッティングしやすい場所がなければ、弊社の貸し会議室を利用してみてはいかがでしょうか。エッサム神田ホールでは、大・中・小の貸し会議室を全38室ご用意しています。被写体に合わせた空間演出や会場セッティングを自在に行えるので、より被写体の魅力を引き出す撮影ができるでしょう。