初めての個展開催で知っておくべき注意点と宣伝方法

2022年 10月 07日

初めての個展開催で知っておくべき注意点と宣伝方法

創作活動をしている人の中には、「いつか自分の個展を開いてみたい」と思う人もいるのではないでしょうか。近年ではさまざまな展示会が開催され、コロナ禍でも多くの人が足を運んでいると注目を集めました。写真や絵画、イラストだけでなく、DIYや手芸など多岐に渡ります。ただ個展を開こうにも何から始めればよいか分からないことが多いですよね。今回は、初めて個展を開くにあたって知っておくべき開催方法や注意点、宣伝方法をご紹介します。ぜひご参考にしてください。

 

 

■個展とグループ展の違いとは?


個展とグループ展の違いとは?

個展とは「個人展覧会」の略で、個人の作品だけを集めて展覧会を開催すること。一方グループ展は、複数人で行う展示のことを指します。

 

個展は会場にて自由自在に自分の作品を展示し、プロデュースできることが魅力といえるでしょう。ただ作品作りを始めたばかりだと、作品数が乏しく会場を埋めるのも大変です。その場合には、複数人によるグループ展での開催をオススメします。

 

■個展を開く方法


個展を開く方法

初めて個展を開く場合、次の手順に沿って準備してみましょう。

 

1.展示作品の把握と用意


まず自分の作品にどのようなものがあるか把握します。作品数が多い場合、テーマごとに分けるとあとで展示構成を考えるときに役に立ちます。作品数は少ないが、展覧会に参加してみたいという場合には、グループ展で参加してみるのもよいでしょう。

 

2.会場の下見と見積もり


初めての個展を開催するのであれば、次の3か所がオススメです。

 

・地域の多目的ホール

公共施設のため、利用料が安く、比較的予約が取りやすいです。ただ施設ごとに利用規約や使用人数などの制限があるため、ご自身の考える企画と相談しながら決めるべきでしょう。

 

・貸しギャラリー(貸画廊、レンタル・ギャラリー)

ギャラリーは、次の2種類に分類されます。

 

ギャラリーの種類
種類 詳細
企画ギャラリー(企画画廊、コマーシャル・ギャラリー) 美術商が国内外で発掘した作家と契約し、展覧会の企画・開催を行う。会場料金はかからないが、売り上げの一部を支払う。
貸しギャラリー(貸画廊、レンタル・ギャラリー) 展覧会を開催したい個人または団体に、有料でスペースを貸し出す。売り上げは、すべて作者の収益となる。

 

個展の開催を考えているのであれば、貸しギャラリーでの利用となるでしょう。ギャラリーによっては、知名度やアクセス、利用料もさまざまです。会場選びでは、複数のギャラリーから見積もりを取ったり、下見に行ったりしましょう。

ギャラリーによっては、貸しギャラリーと企画ギャラリーの双方を行っているところもあるので、気になるギャラリーがあれば問合せやHPを確認しましょう。

 

・レンタルスペースや貸し会議室

駅からのアクセスがしやすく、値段もリーズナブルなところが多いです。しかし、レンタルスペースや貸し会議室は幅広い用途で利用されるため、予約が埋まりやすいようです。下見の際に、予約可能な日取りを施設管理者に聞いておくとよいでしょう。

 

3.開催日を決定する


個展を開催するにあたって、どの場所で展示するかによって開催日は左右されます。人気のあるギャラリーは、1年以上先まで予約が埋まっていることも。一般的な展示場の予約は、1年~半年前に予約の受付をしているので、余裕をもって開催日を決めましょう。

 

4.開催告知・宣伝


会場や開催日が決定したら、個展への集客が大切です。開催すれば人が来場する訳ではないので、しっかり準備しましょう。ダイレクトメールやチラシなどで集客する方法もあれば、SNSやWebなどを活用した集客方法もあります。

 

5.会場への作品の搬入・設営


作品を会場に搬入するにあたって、会場ごとにルールがありますので、事前に施設管理者へ確認しておくようにしましょう。会場の設営には、備え付けの机やパネルが使用できる会場もあれば、自分たちで机等の搬入が必要な会場もあります。下見の際に、確認しておきましょう。

 

■個展開催にあたっての注意点


個展開催にあたっての注意点

はじめての個展開催は不慣れなことが多く、準備も大変です。次の4つはトラブルになりやすいので、念入りに確認しておきましょう。

 

1.会場の利用規約やルールについて


会場によっては、GBMの使用に制限があったり、使用不可な装飾があったりなど、会場ごとにルールが存在します。会場ごとに利用規約を設けていますので、確認して分からないことがあれば、必ず施設管理者に質問しましょう。

 

2.会場の広さを確認


最近ではインターネット上で会場の画像を確認し、下見をせず借りてしまう人も多いです。いざ当日、作品を搬入したが、会場と作品のサイズがマッチせず、自分の思い描いていた展示とは違うものになってしまったという人も。自分の目で会場を確認し、下見の際にはコンベックス(DIYや1人でも計測ができる金属製のメジャー)を使い、会場の広さや高さなどを計測しましょう。

 

3.事前確認で当日の流れを確認


作品の搬入は個展当日か、事前に搬入が可能なのか。搬入は自分の手で行うか、業者を使用するか。当日の流れをイメージし、実際にシミュレーションを行うことでトラブルを未然に防げます。イメージがしづらいことや分からないことがあれば、施設管理者に質問をしましょう。

 

4.商品の販売について


商品販売を行うのであれば事前に施設管理者へひと言伝えておくとよいでしょう。会場によっては、貸した施設でのビジネスについて言及しているところもあるので、利用規約に記載がないか確認しておくことをオススメします。

 

■個展の宣伝方法


個展の宣伝方法

個展を開催することが決まったら、次に取り組むべきは開催告知でしょう。集客は一朝一夕ではできません。開催する目標を立てたら、作品のファンづくりに力を入れましょう。

開催の宣伝方法には、次の5つがありますのでそれぞれの特徴を見ていきましょう。

 

1.SNSやブログなどのオウンドメディア


手軽に始められるツールであり、拡散力や発信力との相性がいい宣伝媒体です。普段の活動内容や作品紹介、個展に向けた準備など、開催者にしかできない情報発信ができます。また、ギャラリーによってはギャラリーが抱えるフォロワーに対して、個展案内を行うこともあるので、ギャラリーの持つ知名度や認知度を有効活用できるとよいでしょう。個展の開催が決まったらいち早く取り組みたい宣伝方法のひとつです。

 

2.チラシやフライヤー、ポスター


アナログな方法ですが、個展のターゲットとなる客層が訪れそうなお店にチラシやフライヤー、ポスターを置かせてもらいましょう。その際にチラシやフライヤーなどのデザインがお店の意向にそぐわないと断られてしまう可能性も。個展の趣旨に沿うデザインであるか、周りの意見に耳を傾けるも必要です。

 

3.ダイレクトメール(案内状)


以前、個展を開催した際に来場者の名簿を持っているのであれば、過去の来場者を対象に個展開催の旨をダイレクトメールでお知らせするのは有効な手段です。発送時期は、個展開催から見て1か月前、遅くとも1週間前に送るべきでしょう。ダイレクトメールに簡単な地図や開催期間、住所だけでなく、ブログやSNSを行っているのであれば、QRコードも掲載するとより詳しい情報が手軽に閲覧できます。

 

4.新聞・プレスリリース


個展開催にあたってハードルが高いと思われる新聞掲載ですが、広告枠とは別に「取材記事」として掲載してもらうことも可能です。あくまで取材記事であるため、掲載内容や扱いをコントロールすることはほぼ不可能と思っておくとよいでしょう。しかし、記者による簡潔明瞭な説明は、読み手に分かりやすく物事を伝えられ、新聞というマスメディアを使うことで認知度を高める効果が期待できます。

 

新聞会社宛てにメールや手紙を使い、取材依頼や掲載依頼をします。依頼内容は簡潔に分かりやすく書くのがコツです。地方紙だと比較的掲載もされやすいため、試してみる価値ありです。

 

  • 個展名
  • 開催日時(個展開催期間について。開始時間や終了時間もあるとよい。)
  • 個展開催の目的
  • 作家略歴
  • 個展のセールスポイント
  • 問合せ担当者の連絡先

 

上記の項目以外にも、画像を添付することでより内容が伝わりやすくなります。また、メールの件名には「取材依頼」や「掲載依頼」と文頭に記載しておくと相手にも読まれやすくなります。

 

5.ディスプレイ


個展開催中、来場者への案内板や個展を知らなかった人へのPRにもなるディスプレイ。会場によっては、アクリル板ディスプレイや液晶ディスプレイを借りられることも。来場者への道案内にまで人員が割けないということであれば、ディスプレイを活用するのもひとつの手です。

 

■エッサム神田ホールで個展を開いてみませんか?


エッサム神田ホールで個展を開いてみませんか?

個展を開催するにあたって、展示内容や宣伝方法に目が行きがちですが、開催場所もとても重要です。

 

開催にあたっては、誰もが足を運びやすい駅近くやアクセス方法の多いところがよいでしょう。また、ご自身で作品を搬入される場合には、駐車場も気にかけた方がよいです。会場には、貸しギャラリーだけでなく、レンタルスペースや貸し会議室も候補に入れて探してみると、多くの選択肢の中から自分のイメージに合った会場を見つけられますよ。

 

エッサム神田ホールは、神田駅から徒歩1分の中央通りに面した貸しギャラリーにぴったしのイベントスペースがあります。また、大小さまざまな貸し会議室があるため、作品の表現の幅に合わせて企画・開催もできます。下見やご利用をご検討の際には、お電話で「ギャラリーの件」とお伝えていただくとスムーズなご案内が可能です。