- 東京都内の貸会議室 エッサム神田ホール
- コラム記事一覧
- ディスカッションとは?選考フローや企業研修に導入される理由
ディスカッションとは?選考フローや企業研修に導入される理由
2023年 03月 31日
最近、多様な人材を採用するために、選考フローにグループディスカッションの導入を検討する企業が増えつつあるそうです。なぜディスカッションを取り入れるのか。それは、チームワークや問題解決への向き合い方、ディスカッションに必要なスキルをみる目的があります。面接や書類選考では評価が難しい個性や能力をさまざまな観点から評価できます。また、選考フロー以外にも企業によっては研修で取り入れていることも。
今回は、ディスカッションとはどのようなモノなのか、ディスカッションで得られるスキルや取り扱うテーマについてみていきます。
目次
■そもそもディスカッションとは?
ディスカッションは、議論や討論、討議を表す言葉です。テーマに沿って自由に意見を出し合い、課題解決に向き合う人材育成として注目されています。英語でdiscussionといい、海外の教育現場で頻繁に取り入れられています。よく似た言葉として、ディベートやブレイン・ストーミング、グループワークが挙げられますが、それぞれに違いがありますので下の表を見てみましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
ディスカッション | 参加者の自由な意見を出し合い、課題解決を行う。 |
ディベート | ディスカッションと同様に「討論する」という意味を持つが、「相手を論破する」という意味合いが強い。特定のテーマについて肯定派と否定派に分かれ、議論する。ディスカッションと違い、勝敗があります。 |
ブレイン・ストーミング(ブレスト) | brain(頭脳)をstorming(嵐)のようにかき回すことを意味します。新しいひらめきを得ることが目的。 |
グループワーク | 参加者の意見を出し合い、出た結論をもとに何かしらのアウトプットを行う。 |
■ディスカッションで得られるスキル
ディスカッションでは、自分の考えを相手に伝える方法が身につくイメージですが、それ以外にも多くのスキルが習得できます。
- リーダーシップ
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
- 本来の性格や価値観
- 協調力
それぞれの項目を見ていきましょう。
リーダーシップ
ディスカッションは参加者の意見を出し合うものですが、出た意見をまとめる力が必要といえます。リーダーシップというとグループに1人が必要なスキルと勘違いされやすいですが、すべての人に求められるスキルです。リーダーシップとは、行動の指針を打ち出し、周囲を支えながら責任を持つことで信頼関係を得られることです。すべての人がリーダーシップを持つことで、個々の視野が広がり、仕事が円滑に進められ、メンバーの行動によって上司や会社に好循環が生まれます。
論理的思考力
ディスカッションで与えられたテーマについて自分の意見を第三者へ正しく伝えるために、論理的思考力は大変役立ちます。論理的思考力とは、物事を俯瞰して整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てて考えるスキルです。意見を伝えるために必要な説得力や他者への理解・配慮が身に付きます。
コミュニケーション能力
ディスカッションは一方的な発信だけでは成立しません。相手の意見を聞き、よりよい意見を出し合うことが大事です。コミュニケーション能力は、対人間における意思疎通を通し、信頼関係を築くスキルです。
コミュニケーションは言語とボディーランゲージなどの非言語で構成されます。コミュニケーション能力を養う上で、発言・相手の言葉を聴くための言語だけでなく、相槌や雰囲気・相手の意見を読み解くための非言語も大切です。
本来の性格や価値観
1対1での話し合いでは見えてこない、性格や価値観を垣間見ることができるのもディスカッションのよさでしょう。1人ひとりの生きてきた人生が違うように、考え方や価値観も異なります。ディスカッションでは、より多くの意見を出し合う場として活用できます。
協調力
ディスカッションは、1人の意見を述べればよいという訳ではありません。みんなの意見を出し合う際に、発言に躊躇している人がいればアシストし、考えがまとまらない人がいればサポートするのもひとつの手です。トップバッターとして発言しチームを引っ張ることだけでなく、周囲への配慮によって話し合いの時間を有意義にするのも大切です。
■ディスカッションの種類
ディスカッションとひと言でいっても、発表形式や議題にするテーマによってさまざまな形式があります。
(1)発表形式
グループディスカッション
ディスカッションの参加者をグループ分けし、テーマに沿ってグループごとの考えをまとめる。選考フローや企業研修に用いられることが多いです。
パネルディスカッション
テーマに対して、代表者(パネラー)を中心に意見を出し合っていく。代表者の意見を聴いた上で、聴衆もディスカッションに参加します。事前準備がとても大切なディスカッションで、進行役の指示に沿って進めていく。
(2)ディスカッションの議題テーマ
問題解決型
主に会社の会議などで取り入れられており、目標達成のためにどのようにアプローチしていくかを考えるテーマ。
例 問題解決型のテーマ
- SDGsに関わる新サービスの立案
- 他店と差別化してコーヒーの売上を伸ばすためには?
- 誰でも使いやすい傘はどのような傘か?
- Z世代をターゲットにした新規事業
- サブスクリプションの利用だけでなく、物販につなげるための施策
アイディア型
固定概念に縛られずに、新しいモノの在り方や考え方を出すテーマ。
例 アイディア型のテーマ
- スマホの機能にあと1つ機能を付け加えるなら何があると便利か?
- 介護現場には、どのようなロボットが必要か?
- 産休や育休の取得促進には何が必要か?
- 物を買いたいと思ったとき、どのような考えが後押しするか?
- いまあるサービスを組み合わせると、どのようなサービスが立案できるか?
自由討論型
考えや答えに決まったものはなく、参加者によってさまざまな解釈が生まれるテーマ。
例 自由討論型のテーマ
- 理想の人生を歩むためにいま何をすべきか?
- 各SNSの特徴を活かすためのコンテンツは?
- 3年後の世界と10年後の世界はどうなっているか?
- 新商品である鉛筆を売るためのPR
- 感情に色を付けるとしたら、それぞれの色は何色か
フェルミ推定型
フェルミ推定とは一見、予想できない数値について論理的思考力を用いて概算することです。みんなの意見を出し合うことで、概算を出していくテーマ。
例 フェルミ推定のテーマ
- 北海道の漁師の人数
- 東京都内の電柱の数
- 横浜中華街に1日で訪れる外国人観光客数
- 新潟県内に住む人で1週間のうち2回以上刺身を食べる人数
- 国内で格安simを2枚以上利用している人数
選択肢型
いくつかの選択肢を元にどれを選ぶかのテーマ。どのような理由で支持するのか、説得力と価値観が見えてきます。
例 選択肢型のテーマ
- 所要時間も金額も同じで、移動手段に「自動車」と「電車」のどちらを選ぶか?
- 「春」「夏」「秋」「冬」、どの季節がよいか?
- 日本の成人年齢は18歳となったが、成人式は「18歳」「20歳」のどちらに統一すべきか
- 給料は変わらないが、「これまでどおりの週休2日」と「1日当たりの働く時間が多い週休3日」、どちらが自社の働き方にマッチするか
- 「海」と「山」、住むならどっち?
■ディスカッションを導入するにあたっての事前準備
いざディスカッションを導入しようにも何から手を付けていいか悩ましいですよね。ここでは、ディスカッションを行うにあたっての事前準備をピックアップしました。
テーマ決め
ディスカッションの中心となるテーマ選びは重要な項目です。選考フローに取り入れるのであれば、個々の価値観やスキルを見極めるためのテーマに、研修であればスキル習得のためのテーマになります。
担当者は、どのようなディスカッションを行うかの目的に沿って、テーマを選びましょう。コツとしては、選考フローであれば誰にでも当てはまる一般論、スキル習得なら少し難しい専門知識や社会問題を選ぶのがよいでしょう。
役割分担
ディスカッションを行うにあたって、司会や書記、タイムキーパー、ファシリテーターといった役割を提示しておくとよいでしょう。時間は限られているので、担当決めをスムーズに行えるよう自己紹介の時に合わせてどの役割をやってみたいかについて答えてもらうといいかもしれません。
ディスカッションペーパー
ディスカッションペーパーとは、ディスカッションを円滑に進めるための参考資料。ディスカッションの脱線を防いだり、意見やアイディアを引き出したりするのに役立ちます。選考フローの際には、テーマの解釈が人によって異なり、本題のディスカッションを行う前にタイムロスしてしまうことがあります。テーマ出題の際に、テーマに関連する用語などは、同じ条件となるよう定義を明確にしておくのもポイントです。
■ディスカッションにオススメな貸し会議室
ディスカッションは、みんなの意見を多く聞き入れ、より有意義な意見を見いだすのに最適です。1人ひとりの考えが違うからこそ、新たな考えが生まれる面白さがあります。企業において、1人で完結する仕事は多くはないでしょう。同僚あるいは部署、会社全体で行うプロジェクトだと自分の意見を相手に伝える力や相手の良さを認める力は、慣れていないと簡単にはできません。ディスカッションを介してスキルアップすることで、1社会人1企業として大きな戦力になること間違いなしです。
エッサム神田ホールでは、ディスカッションの規模に合わせた会場を選べます。選考フローでご利用の際には、グループディスカッションも可能な大会議室や選考担当者の控室に使える小会議室がオススメです。また、館内全ての貸し会議室でWi-Fiや電源の使用が可能なため、ディスカッション以外のさまざまな研修も行えます。
ご利用前に館内の見学もできますので、まずはお気軽にお問合せください。