ブレインストーミングとは?4原則・やり方・代表的な手法をわかりやすく解説

2026年 06月 29日

ブレインストーミングとは?4原則・やり方・代表的な手法をわかりやすく解説

あなたは「ブレスト」という言葉を耳にしたことがありますか?ビジネスの場や経済誌などで使われる「ブレスト」とは「ブレインストーミング」の略で、アイデアを自由に出し合い、次々に新しい発想へとつなげていく会議手法です。

 

この記事では、ブレインストーミングの意味・考案者・世界共通の基本ルール「4原則」から、代表的な手法、ひとりブレストの進め方、成功のコツまで、初めての方にもわかりやすく解説します。

 

この記事の監修・執筆

エッサム神田ホール 会議室運営チーム
年間数千件の会議・セミナーをサポートしてきた実績から、会議を成功に導くための「環境づくり」と「ファシリテーションのコツ」をプロの目線でお届けします。神田エリアを中心に東京・秋葉原・新日本橋・淡路町エリアのビジネス現場で培ってきたノウハウや会場選びをまとめました。

 

■ブレインストーミング(ブレスト)とは?


ブレインストーミング(ブレスト)とは何か?

ブレストの意味と語源


ブレストとは「ブレインストーミング」の略で、複数人で自由に意見を出し合い、新たなアイデアを生み出すための会議手法です。語源は「脳(Brain)」と「アイデアの嵐(Storming)」で、文字通り脳内に嵐を起こすようにアイデアを次々と出していくイメージです。

 

みんなでアイデアを持ち寄ることで、1人で考えるよりも多くの視点が加わり、より斬新で的確なアイデアを生み出せるのが大きなメリットです。最近では専用ツールの発展により、複数人だけでなく1人でも実践できる「ひとりブレスト」も広がっています。

 

日本語では「集団発想法」とも呼ばれ、英語表記の brainstorming から「ブレインストーミング」または「ブレーンストーミング」と表記されます。どちらも同じ意味です。

 

考案者オズボーンとブレストの歴史


ブレインストーミングは、1930~40年代にアメリカの広告会社の経営者だったアレックス・F・オズボーン氏によって考案された手法です。広告制作の現場で、より多くのアイデアを引き出すために生み出され、その後オズボーン氏の著書を通じて世界中に広まりました。

 

このとき、オズボーン氏がブレストを成功させるために定めたのが、のちほど詳しく解説する「4つの原則」です。考案から80年以上経った今でも、この4原則はブレストの基本ルールとして世界中で受け継がれています。

 

似た手法との違い


ブレストと混同されやすい手法に「フリーディスカッション」と「バズ・セッション」があります。いずれも複数人で意見を交わす点は共通していますが、目的が異なります。

 

手法 目的 特徴
ブレインストーミング アイデアの発散 どんな意見も受け入れ、結論は出さない
フリーディスカッション 議論・合意形成 意見をぶつけ合い、結論を出す
バズ・セッション 問題解決 小グループで話し合い、結論を提示する

 

大きな違いは、ブレストが「どんな意見でも受け入れて発散させる」のに対し、他の2つは「白黒はっきり答えを出す」点にあります。

 

■ブレストで得られる3つのメリット


ブレスト最大のメリットといえば「アイデア出し」ですが、それ以外にも得られる効果があります。

 

1.新しい発想の創出


新商品・新サービスの企画会議に適しており、ブレストから画期的な商品やサービス、社内制度や取り組みが生まれることも少なくありません。複数人の視点が掛け合わさることで、1人では思いつかないアイデアが生まれます。

 

2.一体感の醸成


ブレストで出た意見はどのような内容でも否定されず、参加者みんなが意見を認め合うため、組織の関係性向上が期待されます。相手の意見を尊重し合う場であることが、チームワークの向上にもつながります。

 

3.参加者の成長


アイデアは自分の中だけでは行き詰まりを感じてしまうものです。ブレストによって他者の意見を聞くことで、新たな視点を知り、個々の成長に大きく貢献します。特に発想力豊かなメンバーの考え方に触れることは、よい刺激になります。

 

■ブレストの基本「オズボーンの4原則」


ブレストの基本「オズボーンの4原則」

ブレストには、考案者オズボーン氏が定めた4つの原則があります。この4原則を守ることで、ブレストの効果を最大限に引き出せます。ブレストを行う上で必ず押さえておきたい基本ルールです。

 

①判断遅延(批判・結論を出さない)


ブレストで最も重要な原則が「批判しない」ことです。出されたアイデアに対して「それは無理だ」「現実的ではない」といった否定や評価を一切行いません。

 

批判が出る雰囲気では、参加者が発言をためらってしまい、自由なアイデアが出てこなくなります。誰もが安心して発言できる環境(心理的安全性)を作ることが、よいブレストの土台になります。

 

また、ブレストは「結論」を出す場ではなく、結論の前段階の「アイデア」を作り出す場です。良し悪しを論じず、結論を急がず、限界までアイデアを出すことに集中しましょう。結論を出したい場合は、ブレストを基にした別の会議を設定するのがおすすめです。

 

②自由奔放(突飛な意見も歓迎)


奇抜で斬新なアイデアや、議題とは一見関係なさそうな意見でも歓迎する土壌を作ることが大切です。一見「ダメそう」と思えるアイデアも、みんなで発展させることで、思わぬ斬新な企画に生まれ変わることがあります。

 

発言する側も「笑われてもOK!」というぐらいの勢いで、どんどんアイデアを出していきましょう。逆に、奇抜なアイデアを否定したり嘲笑したりする行為は避けてください。

 

③質より量


ブレストでは、質の高いアイデアを少数出すよりも「量」を重視します。アイデアの数が多ければ多いほど、その中に優れたものが含まれる確率が高くなるからです。

 

「質」にこだわりすぎると、自由にアイデアを出すことを制約してしまいます。考え込むくらいなら、思いついたことをどんどん口に出していきましょう。ここでは「下手な鉄砲も数撃てば当たる」が歓迎されます。

 

④結合・便乗(アイデアを発展させる)


上記①~③を守ることで、たくさんのアイデアが集まります。それらのアイデアを組み合わせたり、一部を変えたりすることで、新たなアイデアが生まれます。

 

他のメンバーが出したアイデアに「それに加えて」「それを応用すると」と便乗し、新たな視点を加えていく。この相乗効果をどれだけ生み出せるかが、ブレスト成功のカギとなります。

 

■ブレストを成功させる準備とポイント


4原則を理解したら、次は実際にブレストを始める前の準備です。人数・時間・進行役という3つのポイントを押さえておくと、ブレストの質がぐっと高まります。

 

最適な人数は?


ブレストに最適な人数は、一般的に3~10人程度といわれています。少なすぎると多様な視点が得られにくく、多すぎると一人あたりの発言機会が減ってしまうためです。

 

重要なのは「同じような考えや背景を持つ人ばかりを集めない」こと。年齢・性別・部署・経験などが異なる多様なメンバーを選ぶことで、あらゆる角度からアイデアが出やすくなります。

 

制限時間の目安


ブレストは制限時間を設けることが大切です。だらだらと続けるとメンバーが疲弊し、よいアイデアが生まれにくくなります。

 

一般的には、全体で20~30分程度を目安にするとよいでしょう。「有限の時間の中で出し切る」という意識が、密度の濃いブレストにつながります。

 

ファシリテーターの役割


複数人でブレストを行うときは、進行役となるファシリテーターを決めましょう。ファシリテーターは、議論の脱線を防ぐ・全員に発言を促す・時間を管理する・ルールを守らせる、といった役割を担います。

 

特に「どんな意見も歓迎される空気」を作ることが、ファシリテーターの重要な役目です。ファシリテーションのコツについては、別記事「デキる会議のファシリテーターが使っているアジェンダと便利なフレーズ9選」もあわせてご覧ください。

 

■代表的なブレスト手法5選


ひとくちにブレストといっても、進め方にはさまざまな手法があります。ここでは代表的な5つの手法を、特徴とあわせてご紹介します。目的やメンバーに合わせて選んでみてください。

 

手法名 特徴 向いている場面
マンダラチャート 9マスの中央にテーマを置き、周囲を埋めて発想を広げる 個人・少人数での発想整理
ブレインライティング(6-3-5法) 紙に書いて回す形式。発言が苦手な人も参加しやすい 発言が偏りがちなチーム
KJ法 出たアイデアを付箋でグループ分けし、整理する アイデアの整理・まとめ
SCAMPER法 7つの質問(代用・結合・応用など)から発想する 既存商品の改良・新企画
リバースブレインストーミング 「どうすれば失敗するか」を逆に考える 問題点の洗い出し

 

なかでも「マンダラチャート」は、メジャーリーガーの大谷翔平選手が高校時代に実践していたことで知られ、近年特に注目されています。紙に9つのマスを書き、中央のテーマから連想を広げていくことで、思考を視覚的に整理できます。

 

■用意しておくと便利な道具


用意しておくと便利な道具

ブレストをスムーズに進めるために、事前に用意しておくと便利な道具を紹介します。

 

付箋・ホワイトボード・ICレコーダー


貼ってはがせる付箋は、ブレストに欠かせないツールです。出したアイデアを書き留め、後から自由に貼ったり剥がしたりして分類できます。

 

ホワイトボードとマーカーは、アイデアを分類・整理する際に使います。中央にテーマを書き出し、付箋を貼っていきましょう。ホワイトボードがない場合は、模造紙を壁に貼って代用できます。マーカーは太く見やすいものがおすすめです。

 

ICレコーダーで音声を録音しておくと、文字だけでは残らない議論の雰囲気や流れを後から確認できます。スマートフォンの録音機能やビデオカメラでも代用可能です。

 

オンラインブレストツール


近年は、リモートワークの普及にともない、オンラインでブレストを行う機会も増えています。オンラインホワイトボードツールを使えば、離れた場所にいるメンバーが同時に同じ画面へアイデアを書き込めます。

 

付箋の貼り付けやグループ分けも画面上で完結するため、対面と変わらない感覚でブレストが可能です。無料で使えるツールも多いので、リモート中心のチームは活用を検討してみてください。

 

■【個人編】ひとりブレストの進め方


ブレストは複数人で行うものと思われがちですが、個人で行う「ひとりブレスト」という手法もあります。時間や場所にとらわれず、すぐに取り組めるのがメリットです。次の流れを参考にしてみてください。

 

(1)テーマを決める
扱うテーマを決めます。一人だからこそ、人生設計や価値観の洗い出しなど、自分自身に関するテーマもおすすめです。

 

(2)アイデアを出す
数に制限を設けず、思いつく限りのアイデアをメモやノートに書き出します。言葉が出てこないときは、インターネットや本で調べながら進めてもOKです。

 

(3)出たアイデアにツッコミを入れる
アイデアが出そろったら、第三者目線でツッコミを入れてみましょう。慌てて出したアイデアは抽象的なことが多いため、ツッコミによって具体的なアイデアへと昇華されます。

 

(4)アイデアをまとめる
グループごとや時間順にまとめたり、優先度をつけたりすることで、バラバラだったアイデアが視覚化されます。同じテーマで取り組んだ人とまとめを見せ合うと、新たな視点も得られます。

 

■【団体編】ブレストの進め方


団体でのブレストの進め方

複数人で行う団体ブレストの進め方を、準備から実施まで順に解説します。

 

【事前準備】

まず「目的」を明確にします。何を生み出すためのブレストかが曖昧だと、ただの雑談で終わってしまいます。次に「参加メンバー」を多様な人選で決め、最後に「制限時間」を設定します。前述の通り、人数は3~10人、時間は20~30分が目安です。

 

【実施手順】

① ホワイトボードを3分割し、中央にテーマを書きます(模造紙でも可)。
② 各自で考える「シンキングタイム」を取り、付箋にアイデアを書き出します。このとき「目標アイデア数」を決めると、限界まで出し切る意識が生まれます。
③ 書いた付箋をホワイトボードに貼り出します。挙手制ではなく順番に発言していくことで、アイデアがどんどん広がります。似たアイデアは集約して貼ると、新たな発想が連想されやすくなります。

 

全員が会話形式で進められていれば、そのブレストは成功といってよいでしょう。

 

■ブレスト失敗の原因と対策


次のポイントを押さえておかないと、せっかくのブレストが台無しになることもあります。注意しておきましょう。

 

1.やったきりで活かせていない
ブレストで出たアイデアは、出して満足するだけでは意味がありません。必ず記録・整理し、その後の企画や業務に活用していきましょう。これがブレスト最大の失敗パターンです。

 

2.メンバー間のパワーバランスに注意
影響力の強い人が参加していると、他のメンバーが委縮して発言しにくくなることがあります。全員が対等に発言できる雰囲気づくりを心がけましょう。

 

3.脱線のし過ぎはNG
どんな意見も受け入れるとはいえ、テーマから逸れすぎた内容は好ましくありません。話が脱線したら、ファシリテーターが本来のテーマに都度戻しましょう。

 

■よくある質問(FAQ)


Q. ブレストは何人で行うのがベストですか?
A. 一般的に3~10人程度が最適とされています。多様な視点を集めつつ、全員が発言できる人数が理想です。

 

Q. ひとりでもブレストはできますか?
A. できます。「ひとりブレスト」という手法があり、テーマを決めて自由にアイデアを出し、後から自分でツッコミを入れて整理します。マンダラチャートも個人向けの手法です。

 

Q. オンラインでもブレストはできますか?
A. できます。オンラインホワイトボードツールを使えば、離れた場所のメンバーが同時にアイデアを書き込めます。無料のツールも多くあります。

 

Q. ブレストとディスカッションは何が違いますか?
A. ブレストは「アイデアを発散させる」のが目的で結論を出しません。一方ディスカッションは「議論して結論・合意を出す」のが目的です。

 

■ブレインストーミング実施は貸し会議室もオススメ!


ブレインストーミング実施は貸し会議室もオススメ!

ブレストについて理解を深めていただけたでしょうか。最後に、ブレストを行う際には外部の貸し会議室を借りることもおすすめしたい選択肢です。その理由は3つあります。

 

  • 会議室の広さ・形態を自由に選べる
  • 限られた時間でコスト意識をもって集中できる
  • 非日常の空間でメリハリが出る

 

ブレストは、椅子に座ってメモを取りながら進める従来の会議とは違い、自由にアイデアを出すための会議です。そのため、なるべく自由な形態で進めるのが効果的で、広さや形を選べる貸し会議室は相性が良いのです。普段と違う空間が、マンネリになりがちな会議によい刺激を与えてくれます。

 

また、貸し会議室は時間制のコストが発生しますが、あえてコストをかけることで「時間を決めてやる」「集中する」というブレストに求められる姿勢が徹底でき、より効果的な会議が期待できます。

 

上記写真はエッサム神田ホール1号館の8階クリエイティブルームで、壁面の3面すべてがホワイトボードになっており、ブレストにぴったりの会議室として人気の部屋です。

 

エッサム神田ホールの貸し会議室なら、あなたにぴったりのお部屋が見つかるはずです。気になることや会議に取り入れてみたいことがあれば、お気軽にスタッフへご相談ください。

 

2017年06月19日の記事を再編集しました。

 

この記事の監修・執筆

エッサム神田ホール 会議室運営チーム
年間数千件の会議・セミナーをサポートしてきた実績から、会議を成功に導くための「環境づくり」と「ファシリテーションのコツ」をプロの目線でお届けします。神田エリアを中心に東京・秋葉原・新日本橋・淡路町エリアのビジネス現場で培ってきたノウハウや会場選びをまとめました。