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ブレインストーミングをやってみよう!基本のルールと必要なもの
2024年 02月 29日
あなたは「ブレスト」という言葉を耳にしたことがありますか?ビジネスの場や経済誌等で「ブレスト」という言葉が使われることがあるかと思いますが、これは「ブレインストーミング」の略で、アイディアを出し合って、次々に新しい発想へとつなげていく行為を指します。
今回はこの「ブレスト」の魅力と、どうやって行うのか、何が必要なのか、基本中の基本をご紹介したいと思います。
目次
■ブレインストーミング(ブレスト)とは何か?
ブレストとは、ブレインストーミングの略で、自由に意見を出し合い、新たなアイディアを生み出すための会議手法です。語源は「脳(Brain)」「アイディアの嵐(Storming)」で、みんなでアイディアを持ち寄って話し合うことでアイディアをいろんな人の視点から様々に展開させ、1人で考えるよりもより的確かつ斬新なアイディアを作り上げられます。
最近ではブレストのツールの発展により、複数人だけではなく、1人でもブレストができるようになりました。
つまり、アイディアを自由に出し合い、その相乗効果でたくさんのユニークなアイディアを生み出そうということが大きなメリットです。
このブレストですが、冒頭でも記載したようにビジネスの現場やビジネス誌などで話題になることもあります。常に社員に面白い発想を求めているような企業では、週に数回もブレストを行ったり、ブレスト合宿を行ったりと、かなりブレストに力を注いでいるほどです。
アイディアを出すための「ブレスト脳」を作ることを重要にし、それがあらゆる媒体で取り上げられることもあります。
ブレストは非常に柔軟な手法なので、集まるメンバーやその人たちの性格の傾向によっていろんな独自のルールも付け足せるのも面白さのひとつでしょう。
意味 | 自由に意見を出し合い、新たなアイディアを生み出す手法。 |
---|---|
類語 | フリーディスカッション、バス・セッション |
フリーディスカッションは討論や意見を昇華させるためのプロセスであり、バス・セッションは小グループでの話し合いを行い、問題解決を提示する。
大きな違いとしては、ブレストではどんな意見でも受け入れることにあり、フリーディスカッションやバス・セッションは白黒はっきりと答えを出すことにある。
■ブレストで得られるメリット
ブレスト最大のメリットといえば「アイディア出し」ですが、ブレストを行うことで得られるメリットは他にもあります。
1.新しい発想の創出
新商品・新サービスの企画会議に適しており、ブレストから画期的な商品やサービス、社内制度や取り組みなどが生まれることも少なくありません。
2.一体感の醸成
ブレストで出た意見はどのような意見であっても否定がなく、参加者みんなが意見を認め合うため、組織の関係性向上が期待されます。
3.参加者の成長
アイディアは自分の中だけでは、時に行き詰まりを感じてしまうものです。ブレストによって他者の意見を聞くことで、新たな視点を知り、個々の成長に大きく貢献されます。
■ブレスト時に守るべき基本ルールはこの5つ!
ブレストは参加者によって多少ルールが異なりますが、必ず守るべき5点のルールがあります。ここでは、ブレストを行う上で必ず守っていただきたい最低限のルールをご紹介します。是非ここで認識をしてください。
1.発言を批判しない
ブレストを行う上で一番重要なことは、メンバーのアイディアや意見を「批判」してはいけないことです。自由にアイディアの嵐を起こすことを大事にする会議手法なので、批判がでる会議だと参加者が発言に躊躇してしまい、自由に良いアイディアが出てこなくなるリスクがあるからです。
一方でブレストにおいてアイディアを批判する行為は禁止ですが、別の視点から見て話題を広げることは歓迎されます。一見、荒唐無稽に見えるアイディアであったとしても、別のとらえ方や新しい見方ができないかをとらえる癖をつけることが大事となります。
2.結論・判断は別の機会に
ブレストの特徴としては、「結論」を見つけ出す場所ではなく、結論を出す前段階の「アイディア」を作り出す場になります。そのため、良い悪いと論じず、結論を出さず、限界までアイディアを見つけ出す場所として位置付けてください。
仮に結論を出したい場合は、ブレストを基にした別の会議の設定をしていただくとよいでしょう。
3.見当違いな発言もOK
奇抜で斬新なアイディアや、議題とは一見関係のない見当違いだと思える意見でも、受け入れる土壌を作ることが大切です。
一見「明らかにダメそう」と思われるアイディアも、皆でどうにかして役に立てないかアイディアを出せば、ひょんなことから新しく斬新な企画として生まれ変わることもあります。
ですので、発言する側も、見当違いな発言はやめようと躊躇せず、「笑われてもOK!」というぐらいの勢いでアイディアをどんどん出していきましょう。また、参加者もその発言に対し「嘲笑」するなどといった行為はここではやめましょう。
4.質よりも量が大事
ブレストでは基本中の基本ですが、質の高いアイディアを出すよりも「量」を重視することが大切です。
「質」にこだわりすぎると、自由闊達にアイディアを出すことを制約してしまうことになりかねません。考えるくらいなら思いついたことをどんどん出していきましょう。
ここでは「下手な鉄砲」が歓迎される場面です。
5.アイディアを連想、結合し便乗する
上記1~4を守ることにより、たくさんのアイディアを出るようになります。そのアイディアの質を高めるため、アイディアを組み合わせたり、部分的に変えたりすることによって、新たなアイディアが誕生します。
他のメンバーが出したアイディアに、新しい観点を加えられたならブレストが成功したといっても過言ではありません。どれだけ他のメンバーが出したアイディアに便乗し、新たな相乗効果を生み出していけるかがブレスト成功のカギとなります。
■用意しておくと便利な道具はこの3つ!
ブレストについておおよそご理解いただけたでしょうか。ここからは、ブレストを行う上で必要な道具、または、あると便利な道具を紹介します。ブレストを行う前に事前に準備していただくとよいでしょう。
(1)貼ってはがせる付箋
ブレストはとにかく数多くのアイディアを出し合う場です。そのために参加メンバー各々の意見を最大化する必要があります。
また、いったん出したアイディアはその後分類するため、記録を残すことに加え、貼ったり剥がしたりを自由に行える付箋があると非常に便利です。付箋はブレストを行う上で欠かせないツールといっても過言ではありません。
(2)ホワイトボードとマーカー
ブレストを行う過程の中で、アイディアをいくつか分類する場面があります。その分類を行うために、ホワイトボードをいくつか用意して下さい。用意したホワイトボードに枠を設定したうえで、真ん中にブレストのテーマを書き出します。付箋に書いたアイディアは、アイディアを各個人で考え出した後、ホワイトボードに張っていきます。
ホワイトボードの中央にテーマを描く際や、付箋にアイディアを書く時に用いるため、字が太く見やすいマーカーを用意しておくと良いです。
なお、ホワイトボードが準備できない場合は、模造紙を3枚ほど用意し、ホワイトボードの代わりに壁に貼って使うとよいでしょう。
(3)ICレコーダー
ブレストの内容は紙やパソコンに書き記して文字として残すことも大事ですが、同時に音声で録音しておくことも重要です。
たしかに2時間ブレストをすると、そのすべてを改めて聞くためには同じ時間を要してしまうため、効率的とは言えません。しかし、生のやりとりを確認することで、その時行ったブレストの進行の仕方、雰囲気など文字だけでは伝わらないものが残ります。
従って、音声も記録の1つとして残しておくと、仮にすべての記録を改めて聞かなかったとしても、所々確認するだけで、次回以降のブレストがより良いものになるのです。
ちなみにICレコーダーと書きましたが、動画を撮って見返すことにも同様のメリットがあるため、ビデオカメラでも問題ありません。また、スマートフォンにも録音機能がついていることがほとんどなので、ICレコーダーをお持ちでない場合に役立つでしょう。
(おまけ)ブレストツール
ブレストツールはオンラインからオフラインまで、様々なブレストツールがあります。オンラインであれば各会社が無料・有料で提供しているツールが利用できます。オフラインで最近有名なのがメジャーリーガーの大谷選手が実践していたマンダラチャートではないでしょうか。マンダラチャートは紙などに9つのマスを用意し、それぞれのマスを埋めていくことで、アイディアを整理・視覚化し、思考を深められると人気です。
■【個人編】さっそくやってみよう!ブレストの進め方
ブレストといえば複数人で行うものと思っている人も多いのではないでしょうか。実は、個人で行うブレスト「ひとりブレスト」という手法も最近、耳にするようになりました。ここでは、ひとりブレストをどのように行うかまとめてみました。
ひとりブレストのメリットといえば、時間や場所にとらわれずに即行動できること!次の流れを参考に取り組んでみてください。
(1)テーマを決める
ブレストで扱うテーマを決めていきます。一人だからこそのテーマ、例えば人生設計や価値観の洗い出しなどがオススメです。
(2)アイディアを出す
テーマが決まったら、アイディアを出していきます。アイディア数に制限は設けず、思いつく限りのアイディアをメモやノートに書きだしましょう。考えているけれどうまく言葉が出てこない、どのように表現したらいいか分からないということであれば、インターネットで検索したり、本で探したりするのもアリです。
(3)出たアイディアにツッコミを入れる
アイディアが出そろったら、出てきたアイディアを俯瞰してみましょう。出てきたアディアに対し、第3者目線でツッコミを入れてみてください。慌てて出したアイディアだと、自分が思っている以上に抽象度が高い内容であることが多いです。ツッコミを入れることでより具体的なアイディアへと昇華されます。
(4)アイディアをまとめる
出てきたアイディアをグループごとや時間順にまとめたり、優先度をつけたりしてみることで、バラバラだったアイディアが視覚化されます。
もし可能であれば、同じテーマの人同士で、ブレストのまとめを見せ合うと、新たな視点が入り、自分にはなかったアイディアが出てくるので、やってみてください。
■【団体編】さっそくやってみよう!ブレストの進め方
ここでは、具体的なブレストの進め方についてお話します。複数人で行うブレストであれば、ファシリテーターの力が必要です。詳しくは「デキる会議のファシリテーターが使っているアジェンダと便利なフレーズ9選 」をご覧ください。
事前に準備しておくこと
ブレストを行う前に、以下の事前準備が重要となります。
目的を明確にする
ブレストを行う前に、どのようなテーマで行うかを決めましょう。ブレストを行うことで最終的に何を生み出すかを明確にしておくことで、クリエイティブなアイディアを出しやすくなります。
特にブレストは質より量を重視するため、明確な目的が設定されていないと、ただの言葉遊びでワイワイやって会議自体が終了し、ブレストの目的であるアイディアの最大化ができなくなってしまうことも...。
従って、ファシリテーターが「ブレストの目的」を明確にした上でメンバーに事前に伝えることにより、質の高いブレストになります。
参加メンバーを選定
レストを行うメンバーの選定は非常に重要です。
なぜなら、ブレストを行う意義は、アイディアを最大化し、相乗効果を生むことです。そのため、あらゆるアイディアを集めることが必要となります。
同じような考えや背景を持つ人が集まってしまっては、集まるアイディアも同じようなものとなり、異彩を放つようなアイディアが出てこないため相乗効果を生むことが難しくなってきます。
また、ブレストを行うのに最適な人数は、原則3~10人程度だと言われています。そのため、年齢、性別、業界に精通している人、新人など可能な限り多種多様な人を選定し、あらゆる角度から意見が出てきそうな状況をつくることをお勧めします。
使う時間を決める
制限時間を設定することも重要です。ブレストはとにかくアイディアを出し切ることが求められるため、各参加者に頭をフル回転させアイディアを捻出してもらいます。
そのため、だらだらとした雰囲気のブレストではメンバーが疲弊してしまい、良いアイディアが生まれません。
従って、会議自体に制限時間を設定し、事前に決めた時間の中でアイディアを出しきるというルールをメンバー間で共有しておきましょう。
あくまでも「有限の時間」の中で会議をすることで、より密度の濃いブレストになるので、ファシリテーターは貴重な時間の扱い方に気をつけましょう。
実際にブレストを開始!
ブレストの事前準備が終わったら、実際にブレストを始めましょう。以下でブレストはどのように進めていくのか、ご紹介いたします。
シートの中にテーマを描く
まず、発想のためのフレームとして、ホワイトボードを3枚用意する、もしくは3分割して、その真ん中にテーマを設定して書きます。(壁に模造紙をはって進行してもOKです。)
もし、余白があるなら、制限時間とそれぞれ実施することの所要時間なども書いておくといいでしょう。それぞれの実施事項と制限時間を意識して実施することにより、参加者達に集中力が生まれます。
自身でアイディアを考える
ここは、いわゆる「シンキングタイム」です。テーマについて思いつくことをまずは自分で可能な限り考えて、付箋にどんどん書き出します。
このとき、重要なのは「目標アイディア数」を決めることです。
目標とするアイディア数を決めて宣言することにより、限られた時間の中でアイディアを限界まで出し切る体制を作りましょう。また、積極的にアイディアが出るようにするといいです。
一例として、アイディア数を最大化させるために、競争の意識をもたせ、各自ノートの色を変えて「量」を競ったり、ゲーム要素を加え、アイディアの一番少ない参加者には罰ゲームを設定したり...などのルールを設定してみると、より面白くブレストを進行できるでしょう。
各自アイディアを貼り出す・分類する
「シンキングタイム」が終了したら、今度は書き記した付箋を持って、参加者がホワイトボードへ一斉にアイディアを張り出します。似たアイディアは、集約して貼っていくことでさらにアイディアを発展させやすくなり、新たなアイディアが連想されやすくなります。
なお、この作業をする際、挙手制ではなく、順番に参加者が発言していくことでどんどん新たなアイディアを広げていき、アイディアを最大化していって下さい。全員が会話形式で話が進んでいっているならばこれは間違いなく「成功」と言ってよいでしょう。
■ブレスト失敗の原因と対策
次の項目を押さえておかないと、ブレスト成功とは程遠いでしょう。ブレストを行う際は、必ず注意してください。
1.ブレスト会議をやったきりでその後に活かせていない
せっかく行ったブレスト会議であっても、活かせていなければ意味がありません。ブレスト会議後は、ぜひ活用していきましょう。活用後に出てきた新たな問題は、「成功の産物」といえます。
2.メンバー間のパワーバランスに注意
ブレスト時には、多種多様な人が参加することが求められますが、パワーバランスには配慮したいものです。影響力が強い人が参加している場合、他の人の発言が委縮してしまわない気にかけましょう。
3.脱線のし過ぎはNG
どのような意見も受け入れられるからと言って、テーマから逸れすぎた内容は好ましくありません。話が脱線してしまったら、本来のテーマに都度戻しましょう。
■ブレインストーミング実施は貸し会議室もオススメ!
ブレストについてどのようなものか理解を深めていただけたでしょうか。明日から社内で会議をする際にぜひ用いていただきたいと思います。
そして、ブレストを行う際には外部の貸し会議室を借りて行うことも選択肢の1つとしてオススメしたいです。その理由は3つです。
- 会議室の広さ、形態を選べる
- 限られた時間でコスト意識をもってできる
- 非日常の空間でメリハリがでる
もちろん会社の会議室で行っても実りはあります。しかしブレストは、従来の会議のように椅子に座ってメモを取りながら挙手制で進行する会議ではなく、自由にアイディアを出すための会議です。
そのため、なるべく自由な形態で進めていただくと効果的です。つまり、会議室の広さ、形などを選べることが望ましいのです。さらに普段と違う空間で会議することで、マンネリになりがちな会議によい刺激を与えられます。
また、当たり前ですが、貸し会議室は時間制での利用コストが発生します。一見もったいないのではないかと考えられますが、あえてコストをかけることで、ブレストに求められる「時間を決めてやる」、「集中する」ことが徹底できるため、より効果的な会議が期待できます。
以上を踏まえ、ブレストをあえて貸し会議室でやってみることを提案いたしました。ぜひ一度、新鮮な場所で自由に議論してみてはいかがでしょうか。
上記写真はエッサム神田ホール1号館のクリエイティブルームであり、この会議室は壁面が3面ともホワイトボードになっており、ブレストにぴったりの会議室として人気の部屋になります。
エッサム神田ホールの貸し会議室なら、あなたにぴったりのお部屋が見つかるはずです。気になることや会議に取り入れてみたいことがあれば、お気軽にスタッフへご相談ください。
2017年06月19日の記事を再編集しました。