研修って何がある?各研修を知り、自社にマッチした研修を実施しよう

2022年 07月 31日

研修って何がある?各研修を知り、自社にマッチした研修を実施しよう

いざ研修を行おうにも、研修内容にはどのような項目を盛り込むべきか。研修企画を任された人事担当者にとって、時代のニーズに合わせた研修を選定するのは骨が折れますよね。そのようなときは、社会人としてのビジネス基礎と業界・職種に合わせた専門スキルを掛け合わせるとよいでしょう。

今回、皆さんになじみ深い「新入社員研修」をおさらいしつつ、実際にどのような研修が存在するのかを見ていこうと思います。自社と違う業界・職種だからと食わず嫌いしてしまう前に、どのようなものがあるかを知り、新たな研修を企画する足掛かりにしてみてください。

 

 

■研修の代表格である「新入社員研修」


研修とひと言で言っても、その内容はさまざま。みなさんに馴染ある研修といえば、「新入社員研修」を思い出す人も多いのではないでしょうか。

 

一般的な新入社員研修は、次の内容に沿って行われます。

 

新入社員研修の概要
目的
  • 仕事に従事するための土台作り
  • 先輩社員との交流の場
  • 同期との関係構築
期間 1~3週間 ※企業規模による
内容
  1. 社会人としての基本的なビジネスマナー
  2. 心構えを身につけるための導入研修
  3. ロジカルシンキング研修

 

新入社員は、中途採用者と違い企業にとって中期・長期的な人財としての期待が込められています。そのため、新入社員研修を任された人事担当者は腕の見せどころといえるでしょう。新入社員は、社会に1歩踏み出したばかりで右も左も分からないことが前提となります。まずは基礎的なビジネススキルを中心に、企業理解を深めるための研修を組むことになるでしょう。

 

新入社員研修の開催にあたり、コロナ禍での新入社員研修の変化や研修のカリキュラム作成方法については、「いま、新入社員研修に求められる内容とは?6つのカリキュラム作成方法を伝授」で詳しい内容を紹介しております。ぜひご覧ください。

 

■研修内容の種類


研修内容の種類

研修内容は具体的にどのようなモノがあるのでしょうか。昨今、時代の流れに合わせ、新しい知見を研修に組み込むようになりました。下記に代表的な研修とその内容をまとめましたので、一つひとつ見ていきましょう。

 

ヒューマンスキル(人間力)


ヒューマンスキル(人間力)とは、2003年4月10日に内閣府の「人間力戦略研究会報告書」にて、「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義しています[1]。

ヒューマンスキルは、図1にある3つの要素を軸に構成されます。ヒューマンスキルは次の3つの要素をバランスよく高めていく必要があります。

 

図1.ヒューマンスキル(人間力)の構成

ヒューマンスキル(人間力)の構成

 

(1)知的能力的要素

ヒューマンスキルにおける知的能力的要素とは、「基礎学力(主に学校教育を通じて修得される基礎的な知的能力)」、「専門的な知識・ノウハウ」を持ち、自らそれを継続的に高めていく力。また、それらの上に応用力として構成される「論理的思考力」、「創造力」などが当てはまります。

 

要は、今後さまざまなスキルを獲得していく上で土台となる要素ということですね。

この土台が培われていないと新たなスキルを学ぼうとしても、足元がぐらつき、つまずく原因に。社会人の基礎の基礎として持っていたいスキルといえます。

知的能力的要素に関わる研修には、下記の研修が当てはまります。

 

知的能力的要素に関わる研修
スキル 研修名目 内容
基礎学力 情報収集・情報活用研修 情報化社会における情報・データの取り扱いを学ぶ。
専門的な知識・ノウハウ 各業界・職種に合わせた研修 「業界ごとの研修」や「職種ごとの研修」を参照
論理的思考力 ロジカルシンキング研修 問題点や考えを客観的に見て、一本の筋道を立てて整理する。
創造力 クリエイティブシンキング研修 ビジネス活動における「価値を生み出す」発想力を鍛える。

 

(2)社会・対人関係力的要素

社会・対人関係力的要素

「コミュニケーションスキル」、「リーダーシップ」、「公共心」、「規範意識」や「他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高め合う力(相互啓発力)」などを社会・対人関係力的要素としています。

 

社会・対人関係力的要素は言葉のとおり、自分と他者との関りにおける言動のコントロールが鍵と言えます。1対1、1対複数あるいは社会に対しての関り方は異なり、それぞれに対しどのように接するかが重要です。

社会・対人関係力的要素に関わる研修には、下記の研修が当てはまります。

 

社会・対人関係力的要素に関わる研修
スキル 研修名目 内容
コミュニケーションスキル コミュニケーション研修 聴く・尋ねる・話す力を身につけ、社内外におけるさまざまな人との関係を構築できる。
リーダーシップ リーダーシップ研修 時代ニーズに合わせたリーダー像の確立。
公共心 接客・接遇研修 お客様へ最高のサービス提供をするために、自分がどのような振る舞いをすべきか考える。
規範意識 自立型人材研修 自らの意思で考え、能動的に遂行できる人材育成を目指す。
他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高め合う力(相互啓発力) チームビルディング研修 個々人の能力やスキルを、組織・チームに活かす。

 

(3)自己制御的要素

これらの要素を十分に発揮するための「意欲」、「忍耐力」や「自分らしい生き方や成功を追求する力(自己受容・自己実現)」などの自己制御的要素。

 

社会では、(1)や(2)の要素を支える上で自分の感情をコントロールすることが求められます。ですが、人によって内面的な素質はバラバラです。制御と聞くとネガティブなイメージがありますが、そうではなく自分が自分らしくいられるために(3)が大切になってきます。

自己制御的要素に関わる研修には、下記の研修が当てはまります。

 

自己制御的要素に関わる研修
スキル 研修名目 内容
意欲 意欲向上orモチベーション向上研修 己を知り、「働く」ことに対する考え方を視覚化。それを把握・理解した上で、向上心を養っていく。
忍耐力 実行力研修 ある目標を定め自律し、周りの力を借りることで、どのように継続していくかを考える。
自分らしい生き方や成功を追求する力(自己受容・自己実現) ワークライフバランス研修 仕事と仕事以外の関りを考え、それぞれの充実を図り、好循環をもたらす。

 

業界ごとの研修


業界ごとの研修

それぞれの業界ごとに知っておくべき基礎知識には違いがあります。各業界の研修を知ることで、新たな知見を得る参考にしてみてください。

 

各業界における研修の一例
業種 研修名目 内容
製造・メーカー 自動車メーカー向け研修 自動車業界の実情を押さえつつ、今後の展望を理解する。
情報通信・IT AI・テクノロジー業界向け研修 新たな技術導入や激しい市場変化を理解し、課題解決力をもつ人材育成。
広告・メディア 広告業界向け研修 納期に追われる中、いかに人材育成の枠を確保し、生産性を高めるかを考える。
サービス 冠婚葬祭業向け研修 日本の人口に大きく関わる冠婚葬祭。時代に合わせたお客様の要望を聴き、チームで達成する力を養う。
金融 保険業界向け研修 時代ニーズにマッチした商品企画、自社商品を選んでもらう営業力などを養う。
建設・不動産 不動産業界向け研修 顧客やパートナー企業、社内の関連部署などのコミュニケーションスキルが求められる。
エネルギー 電力業界向け研修 環境問題を踏まえ、組織の中枢となる人材育成が課題。
小売・卸 商社向け研修 生活様式の変革やインターネットの普及により、一歩先を見据えた行動が求められる。
物流 物流・ロジスティクス業界向け研修 需要が増加する一方、労働力や働き方などが問題視される。人材の定着や生産性向上などの課題を考える。
飲食・食品 外食業界向け研修 感染症対策を行いつつ、新しい外食ニーズに臨機応変に対応することが求められる。
医療・介護・保育・福祉 介護業界向け研修 高齢化社会における「介護」の重要性は増し、介護現場の問題をチーム全体で共有する。
学校・教育 教育・学習塾業界向け研修 顧客の年齢層が多様化し、近年ではオンライン授業のニーズも高まっている。現場ではプロフェッショナル思考を求められる。
美容・ファッション ファッション・アパレル業界向け研修 サステナブル(持続可能な)ファッションを軸に、販売職向けの接遇を高める。
エンターテイメント 旅行業界向け研修 顧客のニーズに合わせた旅行企画などのアイディアを生み出し、実現に向けブラッシュアップしていく。
外資・コンサルティング コンサルティング業界向け研修 経営戦略からシステム導入まで、多岐に渡るコンサルティング業界。顧客の抱える問題やニーズを俯瞰し、内外の要因を見極め、成果の最大化を目指す。
その他 独立行政法人向け研修 行政から一部業務を請負、遂行する。限られた予算と制限の中で、最大限のパフォーマンスを行う。

 

職種ごとの研修


職種ごとの研修

数ある業種のうち、次の職種に絞ってどのような研修があるか見てみましょう。

 

各職種における研修の一例
職種 研修名目 内容
営業 営業研修 個人の営業スキルだけではなく、チーム・企業全体の営業スキル向上。
人事・管理 人事向け研修 雇用環境や働く人の意識の多様化が進み、「人材」の確保・継続・活用を考える。
コールセンター コールセンター向け研修 顧客満足度の追求と顧客対応スキルの強化。
IT・SE・開発・運用 社内IT人材向け研修 企業内に導入されたシステムの整備・運用、IT人材の育成。
研究 研究開発職向け研修 新事業の企画力やプロジェクトの遂行力、論理的で簡潔な論文作成スキルを養う。

 

■貸し会議室はさまざまな研修に対応可能!


貸し会議室はさまざまな研修に対応可能!

研修とひと言で言っても、その内容は多岐に渡ります。研修を行うにあたって、「何を」「いつ」「誰に」向けて行うかを踏まえ、研修内容を選択していきましょう。

研修の際に、グループワークやワークショップ、ディスカッションなどの手法を取り入れることで、参加者が能動的に活動できるのでオススメです。

 

エッサム神田ホールでは、大小さまざまな貸し会議室をご用意しております。大会議室は広さに加え、天井の高さが3.6mあるため、ゆとりあるレイアウトが可能です。また、エッサム神田ホール1号館・2号館では、NURO回線を導入しており、安心してWeb配信が行える環境がございます。

研修会場を事前に下見したいという人事担当者の方は、お気軽に当館までお電話ください。

 

参照元:

[1]^人間力戦略研究会."人間力戦略研究会報告書". 内閣府.2003-04-10. https://www5.cao.go.jp/keizai1/2004/ningenryoku/0410houkoku.pdf